総長からの「愛してる」Ⅱ
美愛が気を失ってからの全ても、俺は見た。
その光景は、二度と俺の記憶から離れてくれないだろう。
そして、止めることができなかった俺を、廉が許せるはずもない。
「……僕を前にしながら、他のことを考えるなんて随分余裕ですね。」
シュッ
頬を拳が掠った。
それを見ながら、もう一度考える。
この戦争に、俺の勝ち目はない。
あんだけ怒った廉が帰ってきた以上、このチームが生き残るはずがない。
あと30分もせずに、負けることになるのは明白だ。
それでも俺は、抗う。
全てを捨て、この道を選んだんだ。
ここで諦めたら、男じゃない。