総長からの「愛してる」Ⅱ



美愛が気を失ってからの全ても、俺は見た。




その光景は、二度と俺の記憶から離れてくれないだろう。



そして、止めることができなかった俺を、廉が許せるはずもない。




「……僕を前にしながら、他のことを考えるなんて随分余裕ですね。」




シュッ



頬を拳が掠った。




それを見ながら、もう一度考える。



この戦争に、俺の勝ち目はない。




あんだけ怒った廉が帰ってきた以上、このチームが生き残るはずがない。



あと30分もせずに、負けることになるのは明白だ。




それでも俺は、抗う。



全てを捨て、この道を選んだんだ。




ここで諦めたら、男じゃない。




< 336 / 427 >

この作品をシェア

pagetop