総長からの「愛してる」Ⅱ
「…………消えろ……仇の息子。」
俺は歪んでしまったから。
旭を仲間と思ったことは一度だってない。
そのはずなのに、大切だと思ってしまっている。
ごめん。
弱くて、ごめん。
息を吸い込み、一気に前に出る。
意表をつかれ隙が丸出しになった旭の鳩尾に、ためらいなく俺の最大の拳を繰り出し、襟を掴んでひっくり返す。
素早く離れ、一瞬呼吸が止まった旭の体に容赦なく技をかける。
「眠れ…………龍嵐5代目副総長。」
俺の攻撃に旭は目を見開くと、口元に悲しそうな笑みを浮かべて意識を飛ばした。