総長からの「愛してる」Ⅱ



『刺し違えても殺す』




そう言ったのは、俺だ。


もう後戻りは許されない。



俺の人生はあの日で全て狂ったから、幸せになることはできない。



復讐をする日だけを待ち、その為に血を吐くような思いでここまできた。




「………なのに、どうして。」




手に持つナイフを見れない。


これを刺せば、それで終わる。



あの社長を殺すまで……その家族全てを、会社の重役全員を消すまで、俺は自分の罪を償えない。




「くそっぉぉぉおおお!!」




何もわからないまま、ナイフを振り下ろした。



償えないなんて、それこそ許されない。



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