総長からの「愛してる」Ⅱ



ぐるりと部屋を見渡して、最後にぐっすりと寝ている未來へと近づく。



柔らかいその頬を撫で、そっと抱き上げる。




廉也に預けるってことは、未來は血の繋がる人がいる中で育つということ。



廉也に迷惑をかけるのは百も承知だけど、優しい廉也ならきっとわかってくれると信じるしかない。




「未來、どうか幸せになって。」




あなたが幸せに育つことだけが、私のこれからの生きる糧になる。




テレビの前のガラステーブルに近づき、そっと紙を置いてペンを握る。



何を書くか少しだけ考えて、たった三行の文を残した。




< 347 / 427 >

この作品をシェア

pagetop