総長からの「愛してる」Ⅱ
「なん年ぶりかな。」
目の前の門と塀を見つめ、思わず声が出てしまう。
廉也の家を出てここに来るまでに、既に2時間以上が経過していた。
それでも、ここに来ることは少しだけ楽しみでもある。
「…………喜んでくれるかな。」
緊張して鼓動が高鳴るのを感じながら、一歩を踏み出した。
「なんのご用ですか?」
門番に尋ねられ、そういえば手続きしなきゃいけないんだっけ、と思い出しながら答えた。
「父の面会に来ました。」
ここは、刑務所。
殺人の罪で囚われた父が、ひっそりと生きている場所。