総長からの「愛してる」Ⅱ



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「随分と久しぶりだね。」



「お父さん……!!」





透明なガラス越しの父。



特に痩せすぎているわけでもなく、普通に健康そうな父の姿に笑みが溢れる。




話したいことはいっぱいある。



でも、一番最初に話すことは決めてある。




「今までずっと来れなくてごめんね。
いろいろ訳があるんだけど、話すと長くなるから……。」



「そんな悲しそうな顔はしなくて大丈夫だよ。
お前からの手紙だけで、十分幸せだから。」




あの女が出て行った失った当時とは違って、お父さんは精神が安定し、優しさを取り戻していた。




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