総長からの「愛してる」Ⅱ
ピーンポーン…
緊張で震える手をどうにか動かし、インターホンを鳴らす。
目の前にある豪邸は息を呑むほど美しい。
けれど、あの頃に比べ庭は荒れていた。
ここの夫人が直接手入れをしていたあの花園のような庭は、全く面影がない。
『どちら様でしょうか?』
「……雨宮美愛です。」
『美愛様ですか?!すぐに中にお入りください!』
いつの間にか雨が降り始めていた。
私の心に比例するように、頭上には重い雨雲。
自動で開いていく門を見つめながら、グッと手を握る。
終わらすんだ。全部。
未來のために……自分のために。