総長からの「愛してる」Ⅱ



招き入れられた接待部屋で、見知った家政婦の峰 (みね) さんからタオルを渡される。



相変わらず、優しそうな雰囲気でニコニコと笑う峰さんに少し安心する。




「お久しぶりでございますね、美愛様。」



「わざわざありがとうございます。」




雨で濡れた全身を軽く拭きながら、峰さんに頭を下げる。



懐かしい峰さんの姿に、笑みが溢れてしまう。




「美愛様がこの屋敷を出て行かれてから、もう1年半になりますか。

可愛らしく美しいお姿をもう一度見ることができて、私は嬉しい限りです。」



……そう。


ここは何を隠そう、私が1年半前までお世話になっていた天瀬家の屋敷。



來叶の、家。



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