総長からの「愛してる」Ⅱ
「すいません。私を無断で入れるようなことをさせてしまって。」
「何をお気になさっているんですか。
ここは、美愛様の家でしょう?」
「今は違います。
私が家族としてここに居られたのは、もう昔のことです。」
昔のことのはずなのに、峰さんは変わらずに私を家族だと思ってくれた。
それだけで、十分だ。
卑屈になる頭を振って、もう一度タオルで体を拭き直す。
その間も、峰さんは私の様子を見守ってくれた。
「今はどちらにお住まいになられているんですか?」
「今ですか……」
なんて言えばいいんだろう。