総長からの「愛してる」Ⅱ
行く宛も帰る場所も失った私。
でも、峰さんに気づかれたくはない。
「少し離れた市のアパートで一人暮らししています。」
咄嗟に思いついたのは、悠と一緒にいた頃に住んでいた場所。
探られることはないだろうけど、何か聞かれた時には答えやすいと思うし……
「そうですか。お元気にしていましたか?」
「はい……」
思ったよりも、精神的にきついものがあった。
自分から出て行ったくせに、心が痛い。
いつになったら、私は強くなれるんだろう……
コンコン……
「峰さん?お客様がいらしてるのかしら?」