総長からの「愛してる」Ⅱ



ドキリ、と心臓が鳴る。




忘れもしないこの声。


峰さん同様、1年半前から変わらない声。




懐かしさと痛みが一気に押し寄せてくる。



でも、不思議と会いたくないとは思わない。




「奥様。申し訳ありません。よく顔を知っているお客様でしたので、既にこの部屋で待ってもらっています。」



「あら、そうなの……?
もしかしたら、今日もまたあの男の子が来たのだと思ったのだけれど。」



「例の男でしたら、珍しく今日はまだいらしていません。」




一体なんの会話なのか皆目見当もつかないが、どうやら峰さんはここの夫人と私を会わせる気らしい。




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