総長からの「愛してる」Ⅱ



「あの……峰さんっ」



「そこにお座りになってください。
大丈夫ですよ。奥様はお強い方でいらっしゃいますから。」




奥様とは、もちろんここの夫人のこと。


つまり、來叶のお母さん。



覚悟してきたとはいえ、怖い。



この間の廉也に連れて行ってもらったパーティーで出会った來叶のお父さんを思い出す。



冷たい視線と、決して交えようとしない心。




怖くて、悲しくて、辛くて。


私と來叶の愛情そのものも否定されて……



本当にキツかった。




「峰さん、私は何を返してあげられるんでしょうか?」



いつの間にか口から、か細い声が出ていた。




< 361 / 427 >

この作品をシェア

pagetop