総長からの「愛してる」Ⅱ
「あの……峰さんっ」
「そこにお座りになってください。
大丈夫ですよ。奥様はお強い方でいらっしゃいますから。」
奥様とは、もちろんここの夫人のこと。
つまり、來叶のお母さん。
覚悟してきたとはいえ、怖い。
この間の廉也に連れて行ってもらったパーティーで出会った來叶のお父さんを思い出す。
冷たい視線と、決して交えようとしない心。
怖くて、悲しくて、辛くて。
私と來叶の愛情そのものも否定されて……
本当にキツかった。
「峰さん、私は何を返してあげられるんでしょうか?」
いつの間にか口から、か細い声が出ていた。