総長からの「愛してる」Ⅱ
「あなたが出会ってくれたから、來叶は人を愛することを知れた。
あなたがいてくれたから、大切な人を守る勇気と強さを持てた。
あなたと愛し合ったから、かけがえのない命が生まれた。
最後まで愛する人のために生きれた。
これ以上の幸せはあるのかしら?」
涙が一気に押し寄せた。
ポタポタと流れ落ちる涙と共に下を向いた。
ねえ、來叶。
あなたは、最後まで幸せに生きれましたか?
私は愛し合う幸せを知っていたはずなのに、忘れていた。
あなたが死ぬその直前のあの電話。
ちっぽけだけど確かな幸せを感じた。
それが、私だけのはずがないよね?
「美愛ちゃん。
來叶と出会ってくれて、本当にありがとう。」