総長からの「愛してる」Ⅱ
《side 廉也》
毎朝、音も立てずこっそりと自分の部屋にいる美愛を覗くのが習慣になった。
いつも疲れ切ったように寝ている美愛。
その頬から涙の跡は消えない。
毎日、この部屋で泣いているのだろうか。
誰を思って泣いているのかは明白だった。
自惚れきった自分に思わず嬉しくなって……悲しくなる。
俺のことを忘れろ、なんて願いつつ一生美愛に愛されたいとも思う。
矛盾した心。
美愛を思いすぎて、俺はどうやら狂ったらしい。
美愛に会わないように客室を使う日々。
けど、隣に温もりがないだけで寝れなくなった。