総長からの「愛してる」Ⅱ
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バイクを飛ばすこと数時間。
着いた頃には土砂降りの雨が降っていた。
天瀬家に正面から入った俺は、散々怒鳴った後美愛の様子を見て安心した。
傷付いた表情も、悲しそうな表情もしていない。
天瀬夫人がどうやら美愛を快く迎え入れたみたいだ。
問題は天瀬社長の方だが……この調子ならきっと大丈夫だろう。
美愛の姿を一目確認した俺は、一刻も早く立ち去るために身を翻す。
もう何もしてやることはない。
美愛はこれから、幸せな道を歩めるだろう。
「廉也、待って!!」
そんな俺を美愛が引き止めた。