総長からの「愛してる」Ⅱ
ーーーーバンッ
俺の思考を止めるように、突然目の前の扉が開いた。
この屋敷の入り口である、その扉からは現れたのは昴だ。
「……廉、勘違いしてる。」
俺の命令で美愛を探し回ったせいか、普段のクールとは反対の汗だくの昴。
慌てて来た様子が一目でわかる。
昴は再び口を開いた。
「九識敦はあの日、美愛に最後までしてない!」
その一言が、止めた俺の思考を吹き飛ばした。
衝撃のセリフに、しばらくの間俺の頭の中は真っ白になった。
当然ながら、天瀬家の2人は何が何だかわからない状況だ。