総長からの「愛してる」Ⅱ



美愛を守れねぇ俺が、美愛の隣には入れねぇと思った。



美愛をどんな敵からも守ってやれる男と幸せになって欲しいと、微塵も思えねぇくせに、願った。




どんなにカッコ悪いかなんて、わかっている。


ここまで来て背を向けたくせに、今更すぎることもわかってる。



けど、昴の話で気付かされた。



九識敦ほど狂気でないとはいえ、俺だって九識敦だって美愛を本気で愛している。




苦しいのは、俺じゃねぇ。


悲劇の主人公になってる場合じゃねぇ。




本気で愛したくせに、ぎゃあぎゃあ喚いて言い訳して……それで作った未来が幸せなわけがねぇ。



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