総長からの「愛してる」Ⅱ
「昔芸能界にいた、っていただろ。だからだよ。あの世界には嘘と欲望しかねぇからな。
あそこにいれば……特に子どもは敏感だからな。嫌でも嘘がわかるようになる。」
面倒くさそうにそう言うと、海斗は手元のバイク雑誌に目を落とした。
こうやって改めて話すと、私はまだまだみんなの知らないことが多すぎる。
彼らを大切だと思うし、彼らの幸せを願っている。
もっと、みんなのことが知りたい。
大好きな君を……君たちを知りたい。
「美愛、もう一つ教えてやる。
旭の悩みには手を出すな。
あいつが自分から言うことはあり得ないし、あいつが救われたいと思うこともないからな。」