総長からの「愛してる」Ⅱ




「ねえ廉也、本当に今日でいいの?」


「今日だからいいんだろ。美愛は何も気にすんな。俺のけじめだ。」



廉也の家の運転手さんに車を運転してもらってる中、不安がる私に廉也は大丈夫だと言う。



見つめ合う視線も言葉も握り合う手も、全てが力強くて温かいのに、廉也がいつもと違うことが伝わってくる。


廉也だって緊張してるんだよね。


これから起こることに、不安が拭えない。



「先に、墓の方に行かねぇとな。」



ポツリと呟いた廉也。


今日は…………來叶の命日。



苦しくて辛い日々が始まったあの日から、今日でやっと一年になる。



本当に、長かったと思う。




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