総長からの「愛してる」Ⅱ
「俺と出会うまで美愛の側にいてくれた礼と、
お前の代わりに俺が美愛を愛し抜く、って宣言した。」
しばらくお互いなにも話さずに、來叶の前に立ち尽くす。
ギュッと握られた手を離さないまま、何をするわけでもなく静かな空間が流れた。
「……そろそろ行くか。」
「うん。」
また来るね。
そういう意味を込めて、手をかざす。
來叶がいるような気がする、なんてことは無かったけれど、きっと來叶ならこれから起こることを応援してくれる気がした。
「來叶のこと、一生愛してるよ。」
來叶との最後の会話と全く同じ言葉を残し、私はお墓に背を向けた。
次に来るときは、未來も一緒に来よう。
そう、思い残して。