総長からの「愛してる」Ⅱ
來叶のお墓に背中を向け、左手に廉也の温もりを感じながら一歩踏み出したとき、
サァーーーー
あたたかい風が吹いた。
思わず後ろを振り返ると、確かに私はその姿を見た。
燃え上がり、美しい炎の翼。
まるで本当に鳳凰がいるかのような、堂々としていて同時にどこか儚い雰囲気。
片耳には、私とお揃いだった赤い羽のピアスがその存在を主張している。
今吹いた風のせいか、フワッとなびく漆黒の総長服が、かつての彼を思い出させる。
自分のお墓の前に立ち、私を見つめ、彼の口が言葉を紡いだ。
『 ___________』
再び風が吹いた。
思わず目を瞑り、もう一度開けたその先には、
もう彼の姿はなかった。