総長からの「愛してる」Ⅱ
「どうかしたか?」
廉也の声に、ハッと廉也に向き直る。
「ううん。なんでもないの。」
今のは現実だったのだろうか。
もしかしたら、私の勝手な幻想かもしれない。
でもきっと、本当に彼はそこにいたんだと思う。
だって、彼とともにいたときの温かな空気を感じたから。
彼は、優しい人だから。
「廉也、行こう。」
「おう。」
ねえ、來叶。
私、幸せだよ。
これから、この人に…廉也に幸せにしてもらうよ。
でもね、私、あなたといた毎日も今に負けず劣らず、同じくらい幸せだったよ。
來叶、かけがえのない幸せな日々を、温かな優しい愛を、ありがとう。