総長からの「愛してる」Ⅱ
「意外にも、こういう服も似合うんですね。」
「あ?」
「総長服に負けず劣らず、よく似合っていますよ__________新郎服も。」
その言葉に、俺は自分の服を見下ろした。
純白の花嫁の隣に立つための、一つの汚れもない真っ白なタキシード。
普段だったら、絶対着ねぇような真っ白い服。
最初は、黒じゃねぇにしてもグレーかシルバーを着ようと思っていた。
だが、衣装決めの時に美愛に見たいと可愛くお願いされてしまった俺に、「NO」の選択肢は残されていなかった。
正直、自分でも白は似合わねぇと思っていただけに、着てみると意外としっくりきたことには俺自身驚いていた。
「衣装合わせの時もお互い見ていないんですよね?」
「美愛が、当日まで楽しみにしたいって言うからな。」
俺は見たかったし、なんならこっそり待ち受けにするつもりでいたが、
これだけは譲れないと美愛に押し切られてしまった。