総長からの「愛してる」Ⅱ
「やっと、ここまで来れましたね。」
旭の声で、俺はやっと今日が結婚式だということに実感が湧いてきた。
本当に、長かった。
_______九識敦の地獄のような事件から、もうすでに7年の月日が流れていた_________
互いに相手への愛情は十分にあるのに、結婚へ踏み出すまでの道のりは想像以上に遠く、幸せばかりではなかった。
愛し合っていれば、結婚できる。
そんな甘い考えでいた俺にとって、この7年という月日はあまりにも長すぎた。
「やっと……美愛の家族になれる。」
「そうですね。」
7年前の俺は、美愛を自分のものだと縛り付けて俺という籠の中で幸せにするために、結婚しようという思いがあった。
だが、あれから苦労をして……色々な思いを経験して……
本当の幸せを見つけた。
『美愛に普通の幸せな家庭を作ってやりたい』
『美愛の家族になりたい』
それが、俺の願いとなった。
独占欲だけじゃない。
美愛の本当の幸せを、俺が作ってやりたかった。