総長からの「愛してる」Ⅱ
「さて、では大事な主役である新郎様には、そろそろ式場に向かってもらいます。」
「あ?」
「廉がいくらここで俺様に振舞っても、この先には入れないですし、入らせませんよ。」
そう言われ、未だに手をかけていたドアノブを引こうとすると、
ガチャガチャ
「奏だけで廉を抑えられるとは思っていません。鍵をかけさせてもらいました。」
「……チッ」
仕方ねぇ。
例え入れたとしても美愛が怒るのが目に見えてるしな。
どうせあいつのウエディングドレス姿を見るなら、笑っている顔を見てぇ。
「行くか。」
「そうしてくれると助かります。」
そのまま向きを変えて歩き始めた旭の背を俺は追いかけた。