総長からの「愛してる」Ⅱ
誰よりも先に言いたかった。
俺を救ってくれた二人だから。
この二人が二人で幸せになってくれるなら、これほど嬉しいことはない。
切ない気持ちを押し込めて、誓いのキスをする二人を見守る。
二人の指には、真新しい指輪が照明に照らされて光り輝いていた。
今までこの二人のキスなんて飽きるほど目にしてきたが、
いつもとは明らかに違うそのキスシーンは、周りの人の目を惹きつけずにいられなかった。
それはまるで………本当に神が姿を現しているかのような…
神秘的な美しさ。
何度も不幸に落とされ、二人は決して楽な生き方をしてきてはいない。
過去に縛られ、苦しみ、決して抜け出せない心の傷と、消えない記憶。
そんな苦労重ねた二人が、出会い、ともに同じ道を歩き始め……やっと一緒になれた。
神なんて信じたことはなかったが……
神よ。この二人の出会いに心から感謝をしたい。