総長からの「愛してる」Ⅱ
「つうか、未來ちゃんに会えんの?!」
あ、そうだ。
そう言ったんだ。
『そこの電話で、植木さんにかけて』
植木さんっていうのは、ここのメイドをしている方。
廉也の計らいで、育児経験の豊富な植木さんが、情緒不安定な私に代わって、私がお世話できないときに面倒を見てもらってる。
といっても、ほとんどのときは私が面倒を見てるんだけどね。
「植木さんですか?お久しぶりです。桐生海斗です。
……あ、そうです。
未來ちゃんを連れてきてもらっていいですか?お願いします。」
よほど楽しみなのか、海斗の顔がニヤついていて若干気持ち悪い。
頬が緩みっぱなしのこの人が全国屈指の暴走族の特攻隊長には、到底みえない。