総長からの「愛してる」Ⅱ
ベッドから抜け出すと、海斗の方へ歩いて近寄る。
その途中で、ガラステーブルに雑誌と料理本のカバーが置いてあることに気付いた。
「海斗………吹っ切れたのか。」
「ああ、それ?おかげさまで。
過去なんてどうでもよくなっちまった。」
そう言って、未來を空中に持ち上げていた海斗は、美愛へと視線を向けた。
「美愛、いい女だな。」
「…………どういう意味で言ったんだ。」
こいつが無意識のうちに、純粋な愛情を求めているのは知っていた。
だから、正直こいつは、救ってくれた女と一緒になるべきだと思ったこともあった。