総長からの「愛してる」Ⅱ
俺の服をひたすら引っ張って何かを伝えようとする美愛。
隠したい気持ちをひたすら抑えて、美愛に向き直る。
「美愛、手に書いて。」
スケッチブックはベッドの上に置いたままだったため、俺は自分の手のひらを広げる。
美愛は指を使って、ゆっくりと俺の手に文字を書いてくれた。
『いいよ』
「───は?」
自分が認識を間違ったのかと思い、もう一度美愛に書いてもらう。
『あげる、私の全部』
書き終えて、俺がちゃんと理解したか見つめる美愛。
「美愛、俺はお前と心で繋がりたい。
こんな汚い思いでお前まで汚したくない。」