総長からの「愛してる」Ⅱ
「愛してる」
満ちた幸せ
《side 美愛》
「…………」
まだボーッとして意識がはっきりしない。
眠りがとけ、同時に体の辛さが襲う。
でも、昨日までとは全然違う心。
未来が見えない絶望に怯え、ただ廉也だけを求め。
私の世界が急激に狭まっていたここ数日。
『守る』と言って、ずっと廉也はそばにいてくれたからギリギリ生きていた。
でも、今はただ気持ちが良い。
瞼を開けられない中、耳元で囁いたのは、愛しい彼。
「美愛、愛してる。」
そっと目を開けば、私を見る瞳と私の瞳が合った。
伝えたい。
私の今の気持ちを。
あなたへの迷いのない愛情を。