総長からの「愛してる」Ⅱ
「美愛が隠していた過去について、俺はつい最近に知り、それを知った上で何があっても愛すと誓った。
だから、お前らにも知ってほしい。」
廉はそこで区切ると、全員を見回した。
俺も前に立っていて、同じように全員を見回す。
誰もが、真剣な瞳をしていた。
だが、まだ美愛自身を信じていないこともわかった。
「お前らが思っている『総長の女だから』というのを壊したい。
俺の女だからじゃねぇ。
美愛だから、守ってほしい。」
そう言い切ると、廉は美愛へと視線を向けた。
俺もここにきて初めて美愛へ視線を向け、驚く。
いつもの堂々とした態度は消え、そこには不安そうな少女がいた。