総長からの「愛してる」Ⅱ
帰ろうと立ち上がった俺。
それを止めたのは、海斗だった。
「俺も廉の家に行かせてくれ。」
いつものチャラチャラした雰囲気を微塵も感じさせない。
何かを決意しつつ、海斗は立ち上がった。
「……まだ変われるなら。今が、変わる時だ。」
こいつは誰よりも変わりたかった。
でも、自分の闇から抜け出すことを、誰よりも諦めていた。
「あいつが俺の望む女なら、まずは救ってやらねーと。」
変わろうとしつつ、まだ一歩を踏み出せない。
そんな曖昧な心情を胸にするそいつに、俺は頷いた。
「救ってやってくれ。」