夕焼けのおちる図書室で
「やーっぱり、彩希ちゃんはやさしいねぇ」
「……」
「彩希、ドンマイ」
「おおおぉ!!ゲーセン!!遥、ゲーセンだ!!」
「お前は黙れ」
「…はぁ、しょうがないなぁ…」
あのあと、あまりにしつこい蘭に彩希はとうとう折れた。
まぁ、あんなやられ方したら俺でも折れると思う。
「ねぇ、彩希ちゃんクレーンゲーム上手いよね!あの熊さんとってー」
「そんな大して上手くないけど」
はしゃぐ蘭に連行される彩希。
俺に止める勇気はない。
「遥、遥!!リズムゲームなら俺負けねぇぜ!?」
“リズムゲーム”
憎くも、俺の身体はその言葉に反応してしまう。
「やってやろうじゃん」