夕焼けのおちる図書室で
偽物の私―彩希side―
私は、小さい頃から自分が大嫌いだった。
こんな____
焦げ茶の髪の毛、
一重の瞳、
白すぎる肌、
斑のある性格。
「…きもちわるい」
鏡を覗いて、顔をしかめた。
なのに、何故か私は、友達が多かった。
いわゆる、“人気者”というやつだ。
例えば、他の女の子が言ったら、気持ち悪いと言われる言葉だって、
「えー、あたしあんたのこと結構好きだけど」
「マジか。さんきゅ」
みたいな感じで笑って受け止められる。
ちなみに、他の女の子 だとこうなる。
「あたし、あんたのこと結構好きだよ」
「きもっ!?なにお前…!?」
こうなる。
多分、私はちょっとクールキャラが混じっていて、平然とした顔でこういうことを言うから、
受け止められるんだと思う。
そうだ。私は、他の女の子なら赤面するような台詞を平気で言える。
他の子には、「彩希って、堂々としててかっこいい!!」
なんて、言われるけど。
私も、他の子みたいに普通がよかった。
特別扱いなんて、嫌だった。