シュガーメロディ~冷たいキミへ~
「……いつまで敬語なんだよ」
楽しそうに話すふたりの少し後ろで、賑やかな周りの音にかき消されるくらいの小さな声で思わず呟く。
カートを持ってきた坂井には「ありがとう」なのに、俺には。
「……」
はあ、と無意識のうちにため息が零れていた。
俺にだけ敬語、なんて。
そんなの、前からだったはずなのに。
なんだかどうしようもなく……、イライラする。
「意味わかんねー……」
持て余した自分の感情。
どうしてこんなにも心が重いのか、
どうしてこんなにも心がざわめくのか。
誰か教えてくれないかなと、本気で思ったのだった。