シュガーメロディ~冷たいキミへ~
♯1
「うわあああ、すごい人だね!!」
教室の窓から外を見たこのみちゃんが、楽しげな声を上げた。
そんな声につられて私も外を覗いてみれば、本当に沢山の人。
生徒も普段の制服姿じゃなくてそれぞれのクラスの企画に合わせた格好をしているから、なんだかすごく華やかだ。
いつもと同じ場所なはずなのに、なんだか違う世界に来ちゃったみたい。
……今日はついに、文化祭当日。
私とこのみちゃんは朝少しだけクラスに顔を出しただけで、あとはほとんどカフェの方にかかりきりになる予定。
委員会の先輩は10人いれば充分って言っていたけど、いざシフトを組んでみたら全くそんなことはなくて。
シフトを作る担当だった水無月くんはすっごく大変そうだった。
「……」
無意識のうちに水無月くんのことを思い出してしまって、ふいに心臓がきゅっと鳴った。