シュガーメロディ~冷たいキミへ~

気付けば、教室を出ていた。


とにかく、校庭に行ってみよう。

もしかしたら少しくらいなら時間とってくれるかもしれない。


時間を置いたらきっと勇気がでなくなる。


まぁいっかって、うやむやにしたくなっちゃうと思う。


きっと水無月くんだって私に会いたくなんかないだろうなって、自分に都合のいい逃げ道を探してしまうから。


やっぱり、どうしても今日謝りたいよ。



「梨音ちゃーーん!」


「?」


呼ばれて振り返れば、教室からさっき水無月くんのことを教えてくれた女の子が私を呼んでいた。


「梨音ちゃんたちに準備まかせっきりにしちゃったから、後片付けはいいよ!もし会えたら今野っちとこのみちゃんにもそう伝えておいて!」


「え……、でも」


「いいからっ!打ち上げでまた会おうね!」


「……ありがとう」


私が頷くと、彼女はにっこり笑って教室に戻っていった。


本当、みんないい人たちだ。


今日でこんなふうに一緒に何かできる仲が終わってしまうなんて、なんだかさびしい。


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