シュガーメロディ~冷たいキミへ~
「そうだ、校庭……!」
いそがなきゃ。
後夜祭、始まっちゃう。
片付けのために大きな荷物を抱えている人たちを避けて歩きながら、昇降口に向かう。
「……あ」
だけど、途中で自分がカフェのひらひらな制服姿だったことに気付いて、思わず立ち止まった。
……どうしよう。
もうみんな制服に着替えてるよね。
この格好で外出るのも恥ずかしいし……。
キュッと、スカートの裾を掴んだ。
「……でも、そんなこと言ってる場合じゃないっ」
恥ずかしいのが何。
こんなのなんてことないんだから。
そんなことより大事なことがあるでしょ!
「……誰も見てない見てない」
皆片付けで忙しくて私のことなんか見てない。
そう思うことにしよう。