シュガーメロディ~冷たいキミへ~
文化祭実行委員会の記念すべき初集会の後、カフェ担当になった私は毎日のように準備に追われている。
放課後、集まれるメンバーで集まって準備を進めているのだけど、普通科の人たちは部活が忙しいらしく、全員が集まることができる日は思ったより少なかった。
だから必然的に毎日カフェの準備にいるのは、部活に入っていない、水無月くんと今野くん。
それに加えて何人か、部活組が時間を見つけて手伝ってくれる、という活動になっていた。
私とこのみちゃんの音楽科組は、週に2回放課後に個人レッスンが入っているけれど、それ以外の日は比較的時間の融通が利くので、部活組の子たちよりは準備に参加できていると思う。
「ごめん、じゃああたしたち部活行くね」
ついさっきまで参加してくれていたテニス部の女子ふたりも部活に行ってしまって、今は私とこのみちゃん、それに水無月くんと今野くんの4人だけ。
しかも、ジュースの買いだしじゃんけんで気合いの入っていたこのみちゃんと今野くんが負けて、人数分のジュースを調達に行っているおかげで、教室に残っているのは私と水無月くんだけだ。
なんだかんだで今までふたりきりになることはなかったから、どういう態度をとればいいのか分からなくて、私はひたすら手もとの作業を続けるしかなかった。