シュガーメロディ~冷たいキミへ~
♯1
「あ、来た!梨音!」
水無月くんに告白をした翌日、教室のドアを開けると興奮したような声に迎えられた。
声がした方を見れば、やっぱり。
私の机のまわりに、仲がいいふたりのクラスメイトがいた。
ひとりは、さっき私を呼んだ張本人である、ふわふわの髪に大きな瞳が印象的な、吉倉このみちゃん。
そしてもうひとりは、このみちゃんとは対照的に肩に届かないサラサラのショートカットがよく似合う、ボーイッシュな印象の、清水由奈(しみず よしな)ちゃん。
このみちゃんと由奈ちゃんには、水無月くんに告白することを打ち明けていたから、きっと告白の結果が知りたくてうずうずしているんだろう。
……特に、このみちゃんはこういう恋愛話、大好きだから。
「おはよ」
昨日のことを報告するのが憂鬱になりながらも、ふたりが待つ自分の席に鞄を下ろした。
すると、このみちゃんが瞳をキラキラさせて私を見てくる。
「おはようっ!……で!?」
「このみ、がっつきすぎ」
由奈ちゃんにたしなめられても、このみちゃんが私を見る視線の強さは、依然強いままだ。