シュガーメロディ~冷たいキミへ~
……ねぇ、水無月くん。
私のことを好きじゃないのは分かったから。
友達になりたい、なんて高望みもしないから。
私を拒むような空気を、少しだけでいいから緩めてほしいの。
少しだけでいいから……、本当に少しだけでいいから私のことを今より受け入れてくれたら、それだけできっと私、満足できる。
それだけで、本当にいいから。
それ以上なんて、望まないから────……。
「……あれ。梨音、なんだか顔、赤くない?しかも眠そう」
何個目かわからないチョコレートを飲み込んだ。
口の中でとろける大人の味と一緒に、自分でも何が何だかわからないまま、意識がふわりと夢の中に溶けていってしまうような心地がして。
「えっ、梨音!?ちょ、どうしたの?大丈夫!?」
このみちゃんの驚いたような声。
私が覚えているのはここまでで、まるで眠るように自然に意識を手放してしまったのだった。