シュガーメロディ~冷たいキミへ~

「ほらほら、今日はあたしたちが後片付けやっとくから!さっさと行く!」


「や、でも俺」


「あ、言い忘れてたけど」



俺の言葉を遮って、吉倉が再びにっこり微笑んだ。


……すごい威圧感を感じるのはどうしてだろう。



「水無月くんのことを信じて梨音のこと預けるんだからね?……これ以上梨音のことを傷付けたら許さないんだから」



吉倉の言葉はなんて勝手なんだと思うのに、どれだけ雪岡のことを大事に思っているのかも伝わってきて、言い返すことができなかった。



「……わかったよ……。じゃああとよろしく」


はあ、とため息をついて教室を出た。


依然状況を理解できていないような雪岡の手を引いて。


< 94 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop