【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ
サンタの仕事も楽じゃねぇ

 俺の名前は サン*タクロー。

 毎年12月は憂鬱でしかたねー。

 何が楽しくて知らない人にプレゼントやんなきゃなんねんだっつんだよ。

 今年はなんつってサボるかな。

去年はトナカイと計画交通事故で休んだし、おまけにガッポリ保険金も入ったからホクホクな年末を楽しんだ。一昨年はおらおら計画詐欺だったなぁ。

 プレゼントを全部持ってかれたという設定で、トナカイと飲んだくれ年越しパーティーをハワイでやった。

 その前は......

「タクローさん、今年もまたやるんですか?」

 トナカイが恐る恐るタクローに問う。

「タクローって呼ぶのははやめろと言ってんだろが!」

 トナカイの真っ赤な鼻を指で弾いた。

「鼻をやったら嗅覚が渋るからダメですって!」

「お? おめーかれこれ何年も配達もしないで遊び呆けてんだから、鼻なんか効かなくてもモーマンタイだろ」

 ほじった鼻くそをトナカイに投げつけた。

「そろそろ今年も配達区域のお伝えがあるころですよ」

 トナカイは飛んできた鼻くそを前足で叩き落とした。

「かったりーにもほどがあるぜっとに」

 畳に寝っころがってエロ雑誌を読み始め、トナカイはそこら辺を片付け始めた。

「タクローさんね、この格好を世界中のお子様が見たら泣きますよ」

 そんなタクローを、からすにつつかれたごみ袋を見る目で見る。


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