【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ
「床に寝っ転がって煎餅食いながら、安いドラマを見て屁をこく様に似ているだろうが?」
「タクローさん、いい加減にしないと怒られますよ」
「誰に?」
「異教徒なんですから」
トナカイは小声でタクローに耳打ちした。
「あれだな、おれもこれがしたい」
タクローの突飛な鞍替え発言にトナカイは目が飛び出そうになった。
「寝っ転がって微笑んでりゃ金が入るなんてよ、これだよ、俺の求めていたものはよ!!!」
両手を高々と上げ、大仏に微笑む様は、サンタクロースとしてはいかがなものかと疑いたくなるものの、当のタクローの目は黄金の大仏に負けないくらい、きらびやかに輝きを放っていた。
「違いますよタクローさんが望んでいるものは」
トナカイはそう言うと、未だ手を上げて固まっているタクローを半ば強引に連れ出した。