【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ

「よし、ここは1つどうなっかよ、おみくじでも引いて縁かつぎとでもいこうや」

 境内の真ん中に配置されている無人のおみくじの入った箱。


『100円』


「タクローさん、100円下さいよ」

「なんで?」

 すでにタクローの手はおみくじ箱の中に突っ込まれ、わしゃわしゃと派手にかき回し始めていた。


「100円って書いてありますよ! 小さいお子様も見てるしー」

「気持ちの問題だろ」

「何が気持ちの問題なんですか!」

「金を入れたと思った時点で、俺は金を払ったってわけだよ」

「......」

 
 トナカイはタクローのズボンのポケットに前足を突っ込んだ。


「おーーーーっふ」


 タクローはもじもじしながら鼻の下にかいた汗を人指し指で拭った。


「トナカイちゃんよ、おれのマシンガンに触るなよ。暴発するぜぃ」

「何言ってんですか!」


 トナカイはタクローのポケットからがま口を引っ張り出して200円を出した。



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