【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ

 声にならない一人と一匹...

 戸を押さえるドン*サンタのこめかみには無数の血管が浮き出ていた。

 氷水に浸かったように小さくなるタクローのほにゃらら。

「この戸を引いたらお前らは二度と俺の元へは帰れなくなるぞ」


 ?????


 バカ面こいた一人と一匹にドン*サンタは目で教えた。

 視線の先を追うと......マルソック。


 言わずと知れた綜合警備会社だ。


「ブタ箱に入るか、俺と一緒に協会本部へ行くか、どっちがいい」

 イエッサーとしか選択肢が無いことを思い知らされた。



「違うんです。これは全部トナカイの案です」



 簡単に裏切った。


 口を床につきそうなくらいあんぐりと開けるトナカイ。


「私は止めようと言いましたが、いやぁ、こいつが聞く耳持たなくて...」


 トナカイは失神寸前だった。


「......」タクローの見苦しい言い訳を無言で聞きつつ、冷ややかな目で見るドン*サンタ。



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