【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ
ぶぇ......
ぼゎっふぉん!!!!!!
「あーこんちきしょうめが!このクソ桜!」
タクローは両鼻から鼻水を垂れ流しながらおもいきり桜の木を蹴り飛ばした。
そこそこ立派な桜の木は、タクローのちんけな蹴りくらいじゃびくともしない。
「タクローさん、桜のせいじゃないですよその鼻水の原因は」
トナカイは蹴られた桜の木を自分の頑固な蹄で撫でてやったが、その蹄により木の皮が剥けてきそうになった。
手鼻をかんだタクローは慣れた手つきでその己の鼻水をトナカイの背中の毛に拭きからめ、うら細い目でタクローを睨みつけるトナカイは、これまた慣れた動作で背中を桜の木にこすりつけた。
タクローとトナカイは上野公園の花見客に混じり込み、桜の木の下で一杯引っかけていた。
稼ぐはずだった一人と一匹(小さいため、一頭じゃない)は、桜餅が口に合わなかった。
花見=桜餅
という考えしか沸き出さないどーしよーもない脳みその持ち主なこいつらは、こんなまずいもんが売れるとは思わねー。
と、これまたお粗末な考えであっさりと稼ぐことを諦めた。