【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ

「ママー、シャンタさんがいるよー」

 何も知らない純粋無垢なお子様がタクローとトナカイを指さした。

 あら? でも変ね...と警鐘を鳴らす親御さんは、タクローの側に転がっている一升瓶とタクローを交互に見ながら怪しさを全面に押し出した。


「シャンタさんプレジェントくれるのかなー」


 子供は親の手を振りほどき、タクローの方へ走っていく。


「あんだよ」

 子供を横目にタクローは用件を聞いた。


「プレジェントくださーい」

 ちょうだいの手をする子供のその手にコップを乗せるタクローは、「まずは飲めぃ」


 頷きながら、自分がお手本のように一気に飲み干してみせてやる。

「これ、なーに?」

「友好的に教えてやるとだな、これは、ワンカップってやつだな」

「?」

「これを飲んだらプレゼントをくれてやろう」


< 39 / 88 >

この作品をシェア

pagetop