【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ
「ママー、シャンタさんがいるよー」
何も知らない純粋無垢なお子様がタクローとトナカイを指さした。
あら? でも変ね...と警鐘を鳴らす親御さんは、タクローの側に転がっている一升瓶とタクローを交互に見ながら怪しさを全面に押し出した。
「シャンタさんプレジェントくれるのかなー」
子供は親の手を振りほどき、タクローの方へ走っていく。
「あんだよ」
子供を横目にタクローは用件を聞いた。
「プレジェントくださーい」
ちょうだいの手をする子供のその手にコップを乗せるタクローは、「まずは飲めぃ」
頷きながら、自分がお手本のように一気に飲み干してみせてやる。
「これ、なーに?」
「友好的に教えてやるとだな、これは、ワンカップってやつだな」
「?」
「これを飲んだらプレゼントをくれてやろう」