【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ

 山手線の中で風呂敷をおっぴろげ、桜餅で酒をちびちびやっている一人と一匹は、その後新大久保で一端降りることにした。


「いやいや、なかなかに桜餅もまんざらじゃないね」

「でしょ? タクローさん。ワンカップに桜餅はけっこういけますよね」

「特許取ってんのか?」

「......やめましょうよ」


 金儲けの話に乗ってこなかったトナカイを横目で睨むタクローは、舌打ちをしながら残りのワンカップを喉に流す。


 トナカイは風呂敷を片付け始め、追っ手が来ないのを確認した。

 回りの目を気にしながら、タクローが酔っ払う前に家路につかないと...



 と、考えているその様子を、ドン*サンタがスイスサンタと共にモニターで確認している。


「くされ坊主どもが!」


 モニターを足で蹴っ飛ばしたドンは馬のような鼻息をかまし部屋を後にした。

 倒されたモニターを片付けるスイスサンタは無表情だが、手早くモニターを確認すると電源を切り、ドンの後を追うように部屋を後にした。











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