【新】サンタの仕事も楽じゃねぇ

 「ドンからです」

 整えた体勢は無駄に終わったが、咳払いをひとつすると電話をトナカイから奪い取った。

「・・・はい、私だ」

「誰が私だだこら、なめてんのかてめー」

 ドンの切れ切れの鋭い声色にタクローが珍しく身震いした。

「どうしたんですか?」

 ドン*サンタは理由を手短に説明し、もう限界だと感じたのか慌ただしく電話を切るとケツを絞ったまま小走りでトイレットへと駆け込んだ。

「タクローさん?」

 受話器を持ったまま口角を上げたタクローを不思議に思い、トナカイが声をかけた。

「トナカイ君よ。ついに私たちの時代が到来したよ」

「はい? 一体なんの話だったんですか?」

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